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【映画・感想】「恋は雨上がりのように」感想【☆×5】 [映画・観劇]

2014年に漫画原作連載開始後、多くの漫画賞にランクインし、2018年1月からはアニメも放映された名作「恋は雨上がりのように」が遂に実写化されました!
私はたまたまアニメの第1話を観たのですが、キャラクターの魅力や演出の素晴らしさにすっかりはまってしまい、ルパン以外に久々に毎週楽しく視聴させて頂きました。
原作は軽く漫画喫茶で読んだ程度なのですが、ラストはファンの思惑とは違ったようで少し炎上気味に……一方アニメのラストは高く評価され、その流れを継いでの実写化に多くのファンが気を揉んだのでは!?
期待半分不安半分で観に行った本作ですが……本当に素晴らしかったです。
原作ファンも、原作未読の方も非常に爽やかな気持ちで劇場を後にできるはず。
全力でオススメします。


公式ホームページはこちらです↓
http://koiame-movie.com/#/boards/koiame


それでは、レビュー以下はネタバレ注意です。


【ストーリー】
「……橘さんはいつも、雨の日に突然現れるね」

高校2年生の【橘あきら】(17)は、アキレス腱のケガで陸上の夢を絶たれてしまう。偶然入ったファミレスで放心しているところに、優しく声をかけてくれたのは店長の【近藤正己】(45)だった。 それをきっかけに【あきら】は、ファミレスでのバイトを始める。バツイチ子持ちで、ずっと年上の【近藤】に密かな恋心を抱いて……
【あきら】の一見クールな佇まいと17歳という若さに、好意をもたれているとは思いもしない【近藤】。しかし【近藤】への想いを抑えきれなくなった【あきら】はついに【近藤】に告白する。【近藤】は、そんな真っ直ぐな想いを、そのまま受け止めることもできず―
真っ直ぐすぎる17歳、さえない45歳。ふたりに訪れる、人生の雨宿りの物語。





【レビュー】
☆×5
※☆×5:最高! ☆×4:オススメ ☆×3:普通 ☆×2:微妙 ☆×1:無理かも

個人的には、「恋は雨上がりのように」という原作を知っている上で一番好きなのはアニメ版なのですが、原作を無視した1本の映画として見れば文句なしの☆×5だと思います。
原作を踏まえると……限りなく☆×5に近い☆×4.5笑、と思ったので、ひとまず☆×5にしました。


本作の柱となるのは、2つ。
1つは勿論タイトル通り「恋」、そしてもう1つが「夢」です。
「恋」は言うまでもなく、主人公あきらと近藤の恋愛、そして「夢」は、主人公あきらが怪我によって絶たれた「陸上」と近藤が諦めた「作家」の夢です。
「恋は雨上がりのように」というタイトルからも、また17歳の女子高生がうだつの上がらない28歳年上バツイチ子持ちのファミレス店長に恋をするという設定からも、当初は「恋」に重点が置かれている作品なのだと読者は思っていたのですが、その実原作を読み進めていくと、本作のメインテーマは「夢」だったということがわかります。
その証拠に、原作ではあきらと近藤は互いを想いながらも、最終的にはそれぞれの夢を追いかける選択をし、近藤はあきらと距離を置きました(その後、作者の方が明確にふたりの恋愛関係が終わったことをコメントしたことから、炎上騒ぎへと繋がります。個人的にはこの終わり方も全然アリだと思いますが……)。
好評に終わったアニメ版では、それぞれの夢に足を踏み出す様子が示されながらも、その後のふたりの関係は明確に終わらず、続いていく希望を持たせた終わり方となりました。

そして映画版では、原作やアニメより更に「夢」(特にあきらの「陸上」)を重点に置いた作品として描かれながら、かつラストシーンでは今後のふたりの関係性が更に昇華されることを明確に描写しました。
これは原作・アニメと違う形のハッピーエンドとなりましたが、恐らく多くのファンが望んだ展開だったのではないでしょうか。
陸上部に戻って練習中のあきらが偶然店長に出会い、ふたりで笑顔で語り合う(あきらは泣いていたけど)ラストシーンだけでも、本当に観に行った価値があったと思いました。

原作ではコミックス10巻分、アニメでは1クール分だった物語を112分に収めた手腕も見事です。
うまくあきらと近藤のエピソードにフォーカスしながら、主要エピをうまく繋ぎ合わせ、時系列シャッフルをしながらも違和感なく纏められていましたね。
また、何とも嬉しかったのは近藤とはるかの追加エピソード。
あのスポーツショップで追加された二言三言の会話でこんなにも救われた気持ちになるなんて……映画製作陣の原作への思い入れの強さが垣間見えた瞬間でした。素晴らしかったです。


では何故☆×5に限りなく近い☆×4.5なのかというと、店長が原作とは雰囲気が違いすぎるから笑。
他のキャスティングはビジュアル含めてほぼ完璧である中、店長が大泉洋さん……大泉洋さん大好きだけど、でもあの不器用な近藤店長ではないかなー笑。
しかし、大泉洋さんだからこそよかった箇所も多々あったので、原作を意識しなければ間違いなく☆×5です!笑。
所々コメディパートでしっかりと笑いを取れるのも、最後まであきらに手を出さず父親的ポジションを貫けたのも、ちひろ演じる戸次さんとの息のぴったり合った演技も大泉さんならではですよね!
原作やアニメのようにあきらに心が揺れ動く近藤ではなく、それこそカリオストロの城でクラリスを抱き締めようとしながらも、踏み止まって優しく別れを告げたルパンのような「大人の男」をしっかりと演じたのはさすがだと思いました。
個人的にはあきらに恋愛感情を持ってしまう原作(アニメも少し?)の近藤が好きですが……笑。
ちなみに他のキャスティングは本当にビジュアル含め完璧です。
特にあきら役の小松菜奈さんは漫画からそのまま出てきたよう……それから久保さんもイメージ通り、戸次さんのちひろも無茶苦茶はまっていましたね!


と、原作・アニメのファン視点でここまで書いてきましたが、未読派でも見所満載だと思います。
特にオープニングでテーマ曲「フロントメモリー」に合わせて疾走するあきらの映像は無茶苦茶テンション上がります! 最高に格好良い!!
恋愛要素を散りばめながらも、主軸に夢を諦めかけた女子高生と中年男性の再起を描いた熱い青春物語です。全力でオススメします!!


まだまだ絶賛放映中ですので、原作ファンだけど実写に抵抗があるという方も、勿論原作未読の方も、是非劇場に足を運んでみて下さい。





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