【ルパン三世TVスペシャル】ヘミングウェイ・ペーパーの謎【☆×5】：魂に火を点けろ！：SSブログ

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【ルパン三世TVスペシャル】ヘミングウェイ・ペーパーの謎【☆×5】　[ルパン三世] [編集]

ルパン三世第二回目のTVSP。
個人的にはTVスペシャル史上No1の名作だと思います。
レビュー以下はネタバレ注意です。

【ストーリー】
「皆さんご一緒に、夢にまで見たお宝へのアタック開始と参りましょうか？」

泥棒業界で折に触れて語り継がれる有名な謎「ヘミングウェイ・ペーパー」。アメリカの文豪、アーネスト・ミラー・ヘミングウェイは、最後の冒険で莫大な財宝を発見したが、その小説を執筆中に自殺に見せかけて殺害され、原稿も持ち去られたという噂があった。
地中海のコルカカ島にヘミングウェイ・ペーパーの隠されたパンドラの箱があることを聞き出したルパンは、財宝を手に入れる為、パンドラの箱と対となる黄金の鍵があるというドイツに向かう。しかし、既に死の商人・マルセスに雇われたクレイジー・マッシュが現れ、鍵を強奪した後だった。
仕方なくパンドラの箱を手に入れる為、コルカカ島に向かったルパンだが、そこは宝を巡って大統領カルロス軍と相対するコンサノ軍の内戦が続く地だった。過去マッシュに裏切られ、仲間を皆殺しにされた次元は、マッシュへの復讐の為にコンサノ軍の、また、修行の為にパンドラの箱を狙う五エ門はカルロス軍の用心棒となり、戦わざるを得ない事態となってしまう。そこに、マルセスの秘書となった不二子も加わり、ルパン一味全員がコルカカ島に集結した。
果たして、ルパン一味はこの事態を切り抜け、それぞれの目的を果たすことができるのか？

【レビュー】
☆×5
※☆×5：最高！　☆×4：オススメ　☆×3：普通　☆×2：微妙　☆×1：無理かも

個人的に一番好きなTVSP。
次元VS五エ門が2回見られます。
2つの軍隊が戦い合う島で、それぞれに仲間の次元と五エ門がついており、そこに武器商人に取り入った不二子も絡んできて、主役のルパンが傍観しているという図式が最高です。
最後のお宝がいわくつきで、「引き上げるか、このお宝は俺の趣味じゃねぇや」とルパンが帰っていくのもしぶい終わり方だと思います。

何度見ても飽きないこの作品ですが、とにかく見どころは次元VS五エ門。
今回はお互い敵対する組織に所属することとなってしまう次元と五エ門ですが、戦いながら解決方法を模索する様子など、仲間達に対する信頼関係があるのが見ていてたまりません。
ルパンの名前を聞いたり、気配を感じることでそれぞれの心が一瞬動く様子等、細かい演出もいいです。
ただ、ふたり共それぞれの目的がある為、最初はルパンの宝探しに乗り気ではありません。
その後、マッシュに片を付けに行く次元に対し、（ルパンの頼みはあっさりと断ったのに）並々ならぬ決意に次元の手助けをしようと追う五エ門と、そんな五エ門に目的とする宝の在り処を伝える次元。
この関係性も最高に格好いいです。
普段よく描かれるルパンと次元の相棒の繋がりよりも、今回は「仲間」である次元と五エ門の関係性が強調されているように思います。
そんなふたりを何とか仲間に引き入れようと奔走するルパンもいいです。
あいかわらず山田ルパンの軽妙な語り口は見どころだらけです。

また、今回は不二子ちゃんの魅力が素晴らしいです。
死の商人マルセスに取り入り、お宝を手に入れる為に1度だけ「Aまで」許してあげるなど、あいかわらずの計算高さと、ルパンとふたり行動での活躍、そして珍しくルパンにやきもちを焼くなどかわいらしいシーンもあります。
そして今回のルパンガールのマリアが毅然とした大人の美人であるのもいいです。
マリアと比べると、不二子ちゃんがかわいらしく見えます。
幾度となくバーでかかる音楽とエンディングの曲が同じなのも素晴らしい演出。

そして、敵キャラは今回マルセス、カルロス、コンサノと大ボスどころが3人揃っていますが、中でも圧倒的な存在感を放つのが、次元の宿命の相手クレイジー・マッシュです。

「考えたことあるか？　裏切られるより裏切る方がどれほどつらいか」

この台詞からも相当な悪役であることがわかりますが、一度ルパン・次元に追い詰められた後、正々堂々と勝負に臨む次元を更に裏切って窮地に追いやるなど、卑怯でかつ強いキャラです。
大ボス達が濁流に飲み込まれたあとも最後の最後まで登場し、最終的には次元が倒すのですが、そのカタルシスは相当なものがあります。

なお、今回の銭形のとっつぁんは完全なるギャグ要員です。
クールで強い銭形ファンには少し物足りないかも知れませんが、ルパンスキー、特に次元と五エ門のファンの方は必ず観るべき作品だと思います。
超オススメです。