【ルパン三世劇場版】「ルパンVS複製人間」感想【☆×5】：魂に火を点けろ！：SSブログ

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【ルパン三世劇場版】「ルパンVS複製人間」感想【☆×5】　[ルパン三世] [編集]

深夜放送が始まって、小さい頃好きだったルパンにまたはまり出して昔の映画やTVスペシャルをのんびり振り返っています。
今日は記念すべき最初の劇場版作品について触れたいと思います。
レビュー以下はネタバレ注意です。

【ストーリー】
「俺は夢ぇ盗まれたからな。取り返しに行かにゃ」

「ルパンが処刑された」真偽を確かめる為に駆け付けた銭形警部の前には、確かにルパンの亡骸があった。しかし、そこにもう一人のルパンが現れる。
ルパンが狙うお宝はピラミッドに隠された「賢者の石」。しかし、盗み出すことには成功したものの、何者かに執拗に命を狙われる羽目になる。黒幕と結託した不二子の罠に落ちたルパンが目を覚ますと、そこはナポレオンやヒトラー等死んだはずの人間が闊歩する謎の島だった。
島の支配者であり、己を神と呼ぶ男、マモーの正体とその狙いは一体何なのか。

【レビュー】
☆×5
※☆×5：最高！　☆×4：オススメ　☆×3：普通　☆×2：微妙　☆×1：無理かも

劇場版第1作だけあり、様々な魅力が盛り込まれた、THEルパンといった作品です。
本作の魅力は大きく分けて3つあると思います。

1．展開・演出
ルパンの死刑執行から始まる衝撃的な冒頭。
検死結果もルパン本人となっており、本編のルパンも「自分が本物なのかわからない」と嘯きます（最終的には本編のルパンがオリジナルだと発覚しますが）

また、銭形の銃声から続くオープニングへの入りも最高にカッコイイ。
その他にも、カーチェイスでトレーラーに押し出された後のガードレール走り、不二子がバイクで走るBGMがラジオから流れる音楽と一緒という演出、マモーのアジトに乗り込んだあとの不気味な世界観、五エ門に斬られたフリンチの視界がズレる様等、印象的な演出が盛り沢山。

ラスボスのマモーが強く、ストーリーに緊張感があるのも素晴らしいです。
このマモーの原型となったと思われる「魔毛狂介」がPart1の第13話「タイムマシンに気をつけろ！」に出てくるのですが、この話でもルパンを追い詰めています。展開も面白く、必見です。

2．クローン技術という題材
この作品が1978年に制作されたということを考えた時に、この題材を選んだということを考えるとしっかり時代を先取ってますね。
いまやアニメ・漫画作品でも多く設定として使用される賢者の石も登場。オープニング映像も最初は気味が悪いだけですが、題材がわかれば納得です（盛大にネタバレしていますが）

3．センスフルな台詞回し
ルパンの台詞回しは粋なものが多いですが、特に本作は秀逸なものばかり。
ルパンと次元の名言だけ下記引用しておきます。

・「俺は夢ぇ盗まれたからな。取り返しに行かにゃ」
　「（夢ってのは女のことか？と次元に問われて）実際クラシックだよ、お前ってやつぁ」（ルパン）

・「（米軍に拷問をちらつかされて）それがお宅の民主主義ってやつか、それなら俺にも考えがあるぞ！　長いことモンローとハンフリー・ボガートのファンだったが、今日限りだい！」
　「（米軍が退いて）宗旨替えせずに済んだな」（次元）

他にも山田ルパンの軽妙な台詞やルパンと次元のやり取りなど、是非確認してみて下さい。

その他にも、各キャラそれぞれ平等に見どころがあるのも良いです。

あいかわらず裏切りまくる不二子ちゃんですが、今回はルパンといい雰囲気になることも多く、全裸シーン（今放送できるのか謎）や艶のある声もあいまって最高に色っぽいです。

また、不二子に甘いルパンに対して、なんと見切りをつけて出ていく次元（と五エ門）ですが、結局ルパンを殴ろうとしても殴れず、心配で最終的に戻ってきてしまうところなど、ふたりの結束の強さが見えて良いですね。

五エ門はパイロット版に近いのか、顔色が悪すぎますが笑、安心のチートキャラでこの時からヘリと戦ってます。斬鉄剣はボロボロになってしまいましたが、最後にルパンの命を救う欠片になるというのも憎い演出。

銭形はあいかわらずルパンを地の果てまでも追いかけてきますが、名前が「平次」だったり「とし子」という娘がいたりで、今の銭形と比べると珍しい設定かも知れませんね。

また、現在放映中のPart4第12話「イタリアの夢　後篇」でも言及された「ルパンは夢を見ない」という設定が登場するのも本作です。
昔の作品なので絵に抵抗がある方もいるかも知れませんが、ルパンファンの方には是非見て頂きたい1本。全力でオススメします！